LINEがECサイト売上の3割を稼ぐチャネルに成長!
メガネスーパーに学ぶ、LINEで売上を上げる方程式

メガネ、コンタクトレンズ、補聴器の販売を行う眼鏡チェーン店「メガネスーパー」のEC事業を含む全デジタル領域を統括し、7年でEC関与売上を7倍、自社ECの月間受注は13倍に拡大した川添 隆 氏。
現在ECサイトの売上の30%強を占めるという、LINE公式アカウントとLINEログインを活用した施策について、「ID連携」をキーワードにインタビューを実施しました。

聞き手:ソーシャルログイン・ID連携サービス「ソーシャルPLUS」 岡田
公開:2020年11月20日

競合性の高い商品だからこそ、販売手法に投資を!
リピート率25ポイント向上の立役者となった「LINEでショートカット注文」

岡田:生活様式の変化を受けて、ECサイトの売上を伸ばしていこうという動きが各所で進んできています。川添さんが管轄しているメガネスーパーECサイトでは、どのような戦略で施策を検討しているのでしょうか。

川添:まず前提として、ECサイトの売上を上げるための方程式は「販売手法×マーチャンダイジング×集客」だと考えています。

その中のどこに注力するかを考えた時、真っ先に「新規がほしい!新規の集客を強化しよう」という方向に舵を切るケース、結構多いのではないでしょうか。新規の集客手段として広告が有効な場合もありますが、広告で新規獲得できる商材は限られるということは認識しておいた方がよいでしょう。

岡田:メガネスーパーECサイトでいうと、主力商材はコンタクトレンズでしょうか。

川添:はい。ECサイトの売上の約95%以上がコンタクトレンズです。

コンタクトは競合性が高い商品です。差別化が難しいからこそ価格競争も激しく、広告で戦おうとすると消耗戦を強いられる可能性が高い。それでも、メガネスーパーという長年築いてきた「のれん」を頼りに集まってきてくださるお客様はいらっしゃいます。
そこで私たちは、販売手法とマーチャンダイジングを見直し、特に販売手法に投資してきました。KPIでいうと、購入率が高まりそうな施策や仕組みを増やしていきました。

岡田:販売手法を便利にするためには、システムまわりへの投資も必要になってくるかと思います。川添さんはどのように投資先を検討してきたのですか?

川添:おっしゃる通り、販売手法を磨いていくために、システム投資を積極的にやってきました。しかし、そもそもの話にはなりますが、システム投資は練習が必要だと捉えています。
私もこれまでCRMツール、Web接客ツール、決済手段の拡張など様々なものを試してきましたが、なかなか一発で当たるものではありません。

まずはシンプルに投資対効果が見えやすい部分、すなわちEC運営側とお客様の課題が一致しているところを見極めて入れていけば良いと思います。

今回お話しするLINE活用法も、ユーザーの利便性を向上させながら、LINEの配信先リストが溜まっていって、その結果LINE経由売上が伸びるという、比較的成功の画が描きやすいものの一つと言えます。なぜなら、お客様が持っている「商品を決めたらなるべく早く注文完了したい」「ID・パスワードを覚えるのは面倒」という課題と、EC運営側が持っている「買っていただいたお客様がなかなか再利用してくれない」という課題を、どちらも解消できる可能性が高いからです。

メガネスーパーでは、現在EC全体売上の30%強をLINE経由の売上が占めています。ECサイトと連動させたLINE活用を始めたのは2013年頃で、当時の経由売上は5%程だったことを考えると、この5年で大きく成長したチャネルと言えます。

岡田:ユーザーの利便性が上がることで、企業の売上も上がる。どちらも連動して上がっていくような仕組みにすることが重要ですね。メガネスーパーではLINEを活用して多くの施策を実施されていますが、中でも最も効果的だった施策について教えてください。

川添:もともとショートカット注文という、前回購入時と同じ商品・決済手段であれば、注文確認を行うだけで購入完了できる仕組みを実装していました。その後に、LINEログイン機能を導入したことで、ログインの簡潔さと継続的なLINEでのつながりもご提供していきました。特に後者の寄与が大きいですが、結果的にF2転換率※1 が25ポイント向上しました。
図1:ショートカット注文の画面遷移
タップ操作のみで前回購入商品の再購入が完了する
岡田:定期的に購買ニーズが発生する商材で、これだけ手軽に再購入できると便利ですね。

川添:はい。メガネスーパーをはじめとするビジョナリーホールディングスのグループ店舗では、オンライン・オフラインに関わらず、コンタクトを初回購入してくださったお客様にまず定期購入をおすすめしています。ただし、中にはそれぞれの理由により「定期購入はまだいいかな」という方もいらっしゃいます。

その理由としては、「コンタクトをたまにしか利用しない」「自分のタイミングで注文したい」などがあり、そういった方々に対しては欲しいタイミングで、もっとスムーズに購入いただける仕組みを作りたいと考えていました。

そこで導入したのがショートカット注文です。これにより、定期購入だけでなく、通常購入もより手軽に利用いただけるようになりました。非常に多くのお客様にご利用いただけていますし、狙い通りにハマった施策といえます。

岡田:LINEはメッセージングもできるので、リマインドとの連動も上手く機能するのではないでしょうか。

川添:そうですね。現時点ではLINEログインをご利用いただいている方、もしくは、購入から一定期間空いている方などに向けてセグメント配信を行っています。

岡田:LINEログインを通じて企業側で管理している会員IDとLINEのユーザーIDを紐づける(ID連携)ことで、会員情報をベースにしたLINE上でのメッセージの出し分けも可能になります。
2020年3月以降は通数課金制※2 への対応もあり、一斉配信からセグメント配信にシフトする動きも拡がってきてはいるものの、購買履歴とID連携の有無の組合せでセグメント配信を実施するケースはまだまだ珍しいのではないでしょうか。

川添:一般的には属性で分けて配信するケースが多いかと思いますが、当社の場合は属性よりもステップで分けた方が成果は出やすいと考えています。例えば、初回購入しただけでしばらく動きのない方(休眠しそうな方)に特別なクーポンをお送りする等も効果的です。最終的には、購入タイミングと箱数などを鑑みて、1人1人に合ったタイミングでご案内していきたいです。

……とはいえ、効果的なLINEセグメント配信を実施するには、ある程度の配信母数も必要です。「ターゲットリーチ数※3 × ID連携率」の数字が大きいほど、配信のインパクトも高まっていくでしょう。

岡田:「ターゲットリーチ数 × ID連携率」は、LINE活用成功の土台として極めて重要な数字ですね。次章では、数字引き上げのポイントや具体的な活用法もさらに詳しくお伺いしていきます。

※1:初回購入をした顧客のうち、2回目の購入に至った顧客の割合を表す指標。
※2:参照『LINE公式アカウント 料金プラン』
※3:LINE公式アカウント上でコミュニケーションがとれる状態で、かつ属性(年齢・性別・活動地域)が推測できる友だちの合計数。 有効友だち数(累計友だち数-ブロック数)の9割ほど。

LINEログインの活用で、企業もユーザーも嬉しい仕組みに。
まずは「ターゲットリーチ数 × ID連携率」の土台を固めるべし!

岡田:まず用語の整理をしておくと、「ターゲットリーチ数」は、LINE公式アカウント上でコミュニケーションがとれる状態で、かつ属性(年齢・性別・活動地域)が推測できる友だちの合計数です。 有効友だち数(累計友だち数からブロック数を引いた数)の約9割が該当します。

「ID連携率」は有効友だち数のうち、自社の会員IDと紐づいている人の割合を指します。

川添ID連携率が高いということは、個人を識別した状態で、LINEでメッセージを届けられる割合が高いということです。現時点で、メガネスーパーグループ通販サイトのLINE公式アカウントのID連携率は74%ほど。LINEビジネスコネクトの全盛期に高くても10%ほどが相場と言われていたのと比べると、ID連携率は非常に高いです。

ID連携率が高いからこそ、セグメント配信もうまく機能していると思いますし、「LINEのリッチメニューをタップするだけでオートログインして再購入」というショートカット注文も実現できています。そしてこのID連携率の引き上げに直結しているのが、LINEログインであることは間違いありません。

岡田:ユーザーのLINEアカウントを用いて、会員登録やログインができる機能ですね。
会員登録・購入導線の中で自然にID連携されるので、ID連携率を上げるためのキャンペーン等を特段行わなくても、ID連携率が上がっていくという特徴があります。

川添:そもそもの話にはなりますが、ECサイトにとってLINEはあくまで入口の一つであって、会員登録はWebサイト側で行うのが一般的です。

LINEログインと併せて友だち追加機能も使えば、ECサイトでの会員登録をスムーズにしながら、LINE友だち追加とID連携が同時にできて、LINEという顧客接点をスムーズに獲得できる。「これはいいじゃん!」とすぐに目をつけました。
図2:LINEログインを利用した会員登録導線
図3:LINEログインを利用した新規会員登録におけるID連携イメージ
川添お客様が「ちょっと買いやすい」環境の提供に近づけつつ、会員登録過程でID連携された友だちが増える。すなわち、CRMのリストが増える。濃い(つながりが強い)リストが増えれば、そこからの経由売上が増える可能性がある……具体的にどれくらい増えるか分からなかったとしても、参考値としてのROIを事前に算段しやすいですし、ユーザーインサイトとビジネスロジック双方で見た時にも可能性の高さを感じやすいのではと考えています。

岡田:ユーザー利便性を高めながらCRMのリストを増やせるのは大きなメリットですね。LINEログインがリリースされる前は、友だち追加・ID連携それぞれにクーポン等のインセンティブを設定しないと、なかなか友だち追加もID連携もしてもらえない状況だったように思います。

川添:実際、メガネスーパーでもLINEログインの活用を始めるまでは、Web接客ツール等を併用しつつ、「LINE友だち追加でクーポンプレゼント」等の訴求で登録を促進していました。もちろん、訴求する・しないでは、した方が登録は2倍以上に増えました。

ただし、LINEログイン導入直後にはクーポン等のインセンティブを全てなくしたにも関わらず、自然に友だち数が増えていきました。LINEログインと友だち追加機能の組合せで、ID連携率は74%、ターゲットリーチ数は16倍、LINE経由売上は8倍と、信じられないくらい伸びていますね。

岡田:やはりモチベーションが高い会員登録や初回購入のタイミングで、友だち追加・ID連携をスムーズに行えるのが強いです。企業としては個別コミュニケーションできる母数が増えていきますし、ユーザー体験としても便利になっていく。Win-Winだからこそこの数字に繋がるのだと。

自社サービスの利用モチベーションが高いお客様に友だちになっていただく仕組みを作ることも、LINE経由の売上を伸ばす重要なポイントだと思います。

川添:私見ですが、一番モチベーションが高いのはカートから次の画面に移る時、すなわち「買う気」になっている時なのではないでしょうか。しかし、その後に「また一から会員登録しなきゃいけないのか……」「パスワードなんだっけ……」というストレスがあれば、せっかくの「買う気」をすり減らしてしまう可能性があります。そのすり減りを極力少なくしてくれるのがLINEログインの役割であって、例えば他にはID決済も同じような役割だと捉えています。ECサイトを運営する中でも意外と忘れがちなポイントではないでしょうか。

日常的に使っているLINEアカウントでログインできる方がシンプルに便利だと思いますし、我々としてもID連携率が上がってCRM施策を行いやすくなるので、両者にメリットのある仕組みだと思います。

One to Oneでの価値還元を目指して。
新LINE公式アカウントで、ユーザー体験をさらに便利に!

岡田:今後はどのようなLINE活用に注力していくのでしょうか。

川添:11月に新たにLINE公式アカウントを使った当社のサービスのリリースします。ひとつはモノが購入できるコマース型( https://www.meganesuper.co.jp/line_order/ )、もう一つは御贔屓のお客様を増やしていくようなアカウントを予定しています。

これまでは、店舗送客やECといった「どのチャネルを利用しているか?」を前提としたアカウント運用をしてきましたが、新しいアカウントに関しては、店舗やECという垣根を越えて利用できるサービスを目指しています。

また、「お家でコンシェルジュ」という当社のコンシェルジュサービスの一環として、LINEで問合せ・相談ができるアカウントも最近開設しました。LINEで問い合わせてお店で購入、という現象も出てきています。One to Oneのコミュニケーションも大事だと、コロナ禍を通じて改めて感じますね。

岡田:コロナ以前は「Web接客はツールがやるもの」というイメージが大きかったと思いますが、最近はzoom等を筆頭に「人対人のWeb接客」も出てきました。この文脈でのLINE活用も進んでいきそうです。

川添:LINEは登録が非常に簡単で、情報を届けられるというのが魅力的です。これまでオムニチャネル型のアプリも提供してきましたが、ダウンロード率を上げるのがなかなか難しく、母数を増やせないというボトルネックがありました。

今後はお預かりしているお客様の情報を、サービスとしてお客様へお返ししていき、結果としてメリットを感じていただけるような仕組みにしていきたいという想いがあります。そのためにはまず、One to Oneでちゃんと情報が届く体制を作らねばなりません。改めてLINEの手軽さにフォーカスしつつ、サービス改善を推進していこうと考えています。

岡田:今後の展開も楽しみにしています。本日はお話しいただきありがとうございました。
※本記事は、2020年10月8日実施『実践者に学ぶ!LINE IDマーケティング』ウェビナーを元に執筆しました。アーカイブ動画はこちらにて公開中です。

※記事の内容は掲載時点のものです。
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