店舗・EC LINE連携
「ソーシャルPLUS」LINEログイン 導入事例インタビュー
株式会社ポーラ
ポーラ・オルビスグループの中核を担うポーラは、2029年に100周年を迎えます。
企業理念に「Science. Art. Love.」を掲げ、時代と共に変化するお客さまや社会と共に、美と健康の可能性を追求。スキンケア・メークブランドの展開、エステサービスなど、お客さまの求める美と健康を様々な角度からサポートし、国内外で事業を展開しています。
株式会社ポーラ:https://www.pola.co.jp/
インタビュイー
株式会社ポーラ
顧客戦略部マーケティングプラットフォーム
課長 嶋田 浩和 様
マーケティングプラットフォームというチームに在籍しています。顧客管理系のシステム・基盤のオペレーション及び、そこに溜まったデータをより良いお客さま体験のために活用することが主な領域です。
例えばオンライン・オフライン関わらず、様々な接点で取得したお客様のデータをCDP(カスタマーデータプラットフォーム)に集約し、加工・分析することで、MA(マーケティングオートメーション)を利用したコミュニケーションや店舗とECを連携したUI改善などにつなげています。
KPIは大きなものから小さなものまでたくさんありますが、代表的なものだと「ポーラ プレミアム パス(POLA Premium Pass)」の登録者数があります。
ポーラ プレミアム パスは、2023年4月にスタートしたポーラのメンバーシッププログラムです。
以前は顧客情報を店舗やECなど販売チャネルごとに縦割りで管理していたのですが、ポーラ プレミアム パスではこれらのお客さまIDを「POLA ID」に共通化することで、場所や販売チャネルを問わず一貫したサービスの提供につなげています。
2024年11月からは、オンラインストアでお申し込みいただいた製品を対象店舗でお受け取りいただける店頭受取サービス「Shop de Pick」をスタートしました。
▼ポーラ プレミアム パス
https://www.pola.co.jp/premium-pass/index.html
▼Shop de Pick
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000621.000036737.html
ご購入いただいたお客様はもちろん、ご購入前のお客様も対象としています。
まだ商品をご購入いただいていないお客様にポーラプレミアムパスにご登録いただくことで、ポーラに興味をもっていただいている未来のお客様の”お顔がみえる”状態になります。
お客様のお顔がみえるようになること、つまり、お客様のニーズを知ることで、一人ひとりにあわせたコミュニケーションが可能になります。
そのため、未購入の会員様を増やしていくことは重要な指標となっています。
また、未購入の会員様がどれだけ新規のお客様になっていただけたのかの転換率もみています。
もともと店頭での会員登録は紙ベースで行っていたのですが、Webやアプリなどデジタルへの移行に伴い、現場の工数が増えるという課題がありました。
デジタル化で工数が増えるの?と疑問に思われるかもしれませんが、すべてのお客様が日頃からデジタルに慣れ親しんでいるというわけではありません。中には「ブラウザを立ち上げてください」とご案内しても「ブラウザって何ですか?」というお客様もいらっしゃいます。アプリダウンロードはなおさらハードルが高いといえます。
また、弊社には3,000以上の店舗があるのですが、百貨店に入っている店舗やモールに併設している店舗、路面店など形態は様々です。路面店の中には、従業員ではなくビジネスパートナーによる委託販売のパターンもあります。そのため店舗でのオペレーションを統一するのは容易ではありません。
そこで、会員登録を簡単にして店頭でのオペレーションをスムーズにしたいと考えたのがLINEログイン導入検討のきっかけです。
お客様にとって、本来、会員登録といったお買い物以外の手続きは面倒なものですから、極力お客様の負担にならない方法が望ましい。
その点、LINEアプリはすでに市民権を得ていて、誰もが知っているアプリとして定着しています。LINEログインを導入することで、お客様のLINEアカウントで簡単に会員登録やログインができれば課題解決につながると考えました。
また、LINEログインを活用した会員登録ではポーラ プレミアム パスのID、つまり共通化したPOLA IDとお客様のLINEのID連携が可能になります。そうすればLINE公式アカウントを利用した会員証表示やセグメント配信など、LINEを活用した施策の展開がやりやすくなる点もメリットだと考えました。
LINEログイン導入に関しては自社開発も検討しましたが、LINE APIの仕様変更を都度自社で対応するのは大変だという認識がありました。社内でも「LINEログインならソーシャルPLUSだよね」という声が多かったですね。
3社ほど比較検討しましたが、LINE APIに関する知見の豊富さやコスト面でソーシャルPLUSを導入しました。
まず、スマホを利用してQRコード読み取りもしくはNFCへのタッチで、LINE公式アカウントへの友だち追加を行っていただきます。
その後、LINE公式アカウントのリッチメニューから会員登録フォームに遷移します。
フォーム入力では、LINE Profile+※1を利用して、お客様のメールアドレスや電話番号、性別、誕生日などの情報を取得できるので入力の手間を軽減できます。
お名前やご住所など必要な項目の入力、パスワードの設定まで終わると、ポーラ プレミアム パスへの登録とLINEのID連携が完了します。
ポーラ プレミアム パスへの登録とLINEのID連携が完了したお客様は、LINE公式アカウントのリッチメニューをタップするだけで、自動でログインし会員証表示やマイページへのアクセスが可能になります。
基本的に新規のお客様にはLINEでのご登録をおすすめしているのですが、お時間がないなどの理由から、店頭での会員登録がむずかしい方もいらっしゃいます。その際は、バーコードが印字されたプラスティックカードをお渡しして、後からこの番号を利用して登録を完了していただくようにしています。
他にも、ポーラプレミアムパス導入以前のメンバーズカードをお持ちの方や、すでに会員登録済のお客様もいらっしゃいます。
そのため、すべての方に新規会員向けの一律の導線を用意してもお客様が混乱してしまうことを懸念し、LINE公式アカウントからの会員登録導線は丁寧に設計しました。
現在は、LINEのID連携の(完了・未完了)をLINEログインで判定し、会員登録の(完了・未完了)をお客様に選択いただくことで導線を分岐するようにしています。
これにより、お客様のそれぞれの状況によって適切なページへ遷移し、会員登録やLINEのID連携など、お客様に応じたアクションをスムーズに行えるようになりました。
また、ポーラ プレミアム パス導入以前のメンバーズカードやメンバーシップカードをお持ちの方には、Webサイト上に引き継ぎ登録とID連携を行っていただくための導線を用意しています。
ソーシャルPLUSのサポート担当の方にもアイデアをいただきながら、現時点で可能な最適な導線分岐を実現できたのではないかと思っています。
LINEログイン導入後、LINEで簡単に会員登録を開始できるようになり、店頭での新規会員登録率は導入前と比較して約8ポイント改善しました。これはかなり大きな成果だと評価しています。
登録項目を極力減らし、ライトな仮会員を多く獲得する方法もあるかと思います。
ただ、「ポーラ プレミアム パス」は”プレミアム”と銘打っているように、メンバーシッププログラムを通して、会員限定商品や先行予約などの特別なご案内など、会員の皆様一人ひとりに寄り添った会員限定のおもてなしを提供しています。
”ポーラ プレミアム パス”であることにこだわりを持っていることからも、会員を増やすために必要な登録項目を減らすということはやりたくないんです。あくまでもお顔のみえる会員様を増やしていきたい。
会員登録のハードルを下げる以外にも、会員様を増やすためにまだまだやれることはあると考えています。
※1 LINE Profile+とは、ユーザーがあらかじめLINEアプリ上に登録しておいた氏名や性別、生年月日、住所の情報を、ユーザーの意志に基づき、 Profile+ に対応した外部サイトのフォームに自動で入力できる機能です。
https://www.socialplus.jp/line/profile-plus
LINEログイン導入によって実現したことは大きく4つあります。
まず一つ目は、店頭での会員登録が簡単になったこと。これまでお話しした通り、LINEログイン導入で最も実現したかったことです。
二つ目は再ログインが簡単になり、マイページへのアクセスが簡単になったことです。
マイページでは、会員証表示やマイル・購入履歴の確認、ギフトの申込やエステ予約・肌分析予約など会員向けの各種サービスが利用できるのですが、LINEログイン導入前は、「再ログイン時にメールアドレスがわからないためログインできない...」「登録したメールアドレスが古いためメールが届かない...」ということがありました。これでは、せっかく会員登録をされていても会員向けサービスにアクセスできません。
その点、LINEログインであればメールアドレスやパスワードを入力する必要もなく、簡単に再ログインが可能です。
三つ目はLINE公式アカウントのリッチメニューからタップ操作で会員証表示が可能になったこと。そして四つ目は、RFM分析を取り入れたセグメントメッセージの配信が可能になったこと。これらは、POLA IDとLINEのID連携によって実現できたことです。
現在友だちが約600,000人で、すべての友だちに配信すると配信コストも相当な金額になります。そのため全配信は行っていません。
セグメント配信では、未購入のお客様を中心に配信しています。ご登録やID連携をしていただくことで、サンプルをプレゼントするキャンペーンなどの告知をしています。
現在はLINEを「登録ツール」として位置付けて活用していることから、LINEから直接売上につながるような販促のメッセージを送信することはありません。
今後は、LINEのID連携でLINEを活用した施策の展開がしやすくなったことからも、コストと効果をみながらCRMデータを活用したセグメントコミュニケーションは推進していきたいと思っています。
他にも、リッチメニューを活用することで、会員登録をさらに簡単にできるような工夫もしていきたいですね。例えば、ID連携していない人はID連携の導線だけを表示し、ID連携済の方には会員証表示とマイページを表示するような出し分けもやってみたいです。そうすれば、お客様にとってよりわかりやすく利便性の高いツールになると思っています。
※この記事の内容は、2024年11月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※記事の内容は掲載時点のものです。
※記事内に掲載した効果数字はポーラ調べです。
ソーシャルPLUSに関するお問い合わせやご相談など、お気軽にお問い合わせください。