株式会社ソーシャルPLUSは、ソーシャルログイン・LINEのCRM活用サービス「ソーシャルPLUS」を導入したサイトにおいて、ソーシャルログインの導入・利用状況調査を実施しました。
昨年に引き続き、ソーシャルPLUSが対応しているソーシャルログイン6種(LINE・Yahoo! JAPAN・Google・Apple・X・Facebook)の中で、「どのソーシャルログインが、どのような理由で導入されているのか?」「各種ソーシャルログイン導入サイトにおいて、よく利用されたのはどのソーシャルログインか?」などを調査しました。
◆本レポートの調査前提
※グラフを含む本調査内容を引用する場合は「ソーシャルPLUS調べ:「ソーシャルログイン利用状況調査2024」と明記し、( https://www.socialplus.jp/content/report-2024 )へのリンク設置をお願いします。
※本調査結果では、各プラットフォームが提供するソーシャルログインを「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「Apple」「X」と、一部、略記しています。
ソーシャルログインを導入するサイトが、「どのソーシャルログインを、どういう組み合わせで導入しているのか」に関する調査結果からご紹介します。
ソーシャルログイン導入組み合わせランキングの1位は、昨年に引き続き「LINEログインのみ」を導入するサイトで、導入サイト数は2位以下を大きく引き離し、137サイトという結果でした。(図1)
「LINEログインのみ」を導入するサイト数は、本調査開始の2021年以降、右肩上がりに増えている(図2)ことから引き続きニーズが高いことが伺えます。
LINEログインのみを導入する企業が増えている理由としては、LINEログインは他のソーシャルログインとは異なり、LINE公式アカウントとの連携強化に活用できる点があげられます。LINEログインを導入することで、LINEを通じた便利なユーザー体験や円滑なコミュニケーションが可能となり、企業とユーザー双方にメリットをもたらします。
◆企業にとってのメリット
◆ユーザーにとってのメリット
1位から4位までの順位変動はありませんでしたが、5位にはじめて「LINEログイン・Appleでサインインの2種のソーシャルログイン」を導入するサイトがランクインしました。
iOS版アプリでソーシャルログインを導入する際にはAppleでサインインの導入も求められていた※3 という背景もあり、「iOS版アプリにもソーシャルログインを導入するため、LINEログインに加え、Appleでサインインにも対応したい」というニーズが反映された形といえます。
※1 LINEヤフー 媒体資料より
※2 LINEログインを利用することで、LINE公式アカウントへの友だち追加や、会員IDとLINEのユーザーIDの連携を促進できます。ID連携されたユーザーには、サイト上での行動・購買を元にしたLINEのメッセージの出しわけや、LINE公式アカウントからの1タップログイン(購買導線の簡略化)も可能です。
※3 2024年1月のガイドライン変更により、「Appleでサインイン」の導入義務を明示したテキストは撤廃されましたが、「特定のプライバシー機能を備えた追加のログインサービス」の提供は義務付けられており、実質的にはAppleでサインインの導入義務は継続していると言えます。さらに詳細は下記記事をご覧ください。
◆ Apple (sort of) removes its requirement that apps offer ‘Sign in with Apple’
LINEログインの導入ニーズが引き続き堅調に推移していることを踏まえ、ソーシャルログイン導入組み合わせランキング1位の「LINEログインのみ」を導入したサイトの業種別内訳についても調査しました。
LINEログインは、一般消費者向けサイトのさまざまな業種(人材やアパレル、食品関連など)で幅広く導入されていることがわかりました。(図3)
2024年最も利用回数が多かったのはLINEログインで、全体の86%を占めました。続いてYahoo! JAPAN(5%)、Google(4%)、Apple(2%)、X(2%)、Facebook(1%)でした。(図4)
ソーシャルログイン利用ユーザー数の割合においては、2024年最も利用ユーザー数が多かったのはLINEログインで、全体の70%を占めました。続いてYahoo! JAPAN(13%)、Google(9%)、Apple(6%)、X(1%)、Facebook(1%)、でした。(図5)
続いて、利用デバイス別の調査結果を紹介します。
デバイス別のソーシャルログイン利用回数の割合では、スマートフォンが全体の約97%を占めています(図6)。
スマートフォンで最もよく利用されていたのはLINEログインで、全体の88%を占めました。続いてYahoo! JAPAN(4%)、Google(3%)、Apple(2%)、X(2%)、Facebook(1%)、でした(図7)。
一方、PC・タブレットでのソーシャルログイン利用回数の割合は、LINEログイン(32%)、Google(32%)、Yahoo! JAPAN(30%)、X(2%)、Facebook(2%)、Apple(2%)という結果でした(図8)。
続いて、冒頭でご紹介した「ソーシャルログイン導入組み合わせランキング」について、各組み合わせごとの詳細をご紹介します。
◆本調査のサマリ
LINEログインのみでの導入サイトが137サイト(前年比+13サイト)で最多となりました。
LINEログインは「LINE公式アカウント」との連携活用を目的として導入されることが多いため、あえてソーシャルログインもLINEのみに絞る形で活用を推進しているケースが多くあります。
◆LINEログインのみで、2024年にソーシャルログインを導入した事例
2位の組み合わせでソーシャルログインを導入しているサイトでのログイン利用回数の内訳は、LINE(70%)、Google(15%)、Yahoo! Japan(13%)、X(1%)、Facebook(1%)でした。(図9)
また、各サイトごとに最も多く利用されたソーシャルログインの調査では、LINEログインが最も利用されていたサイトが16サイトで最多でした。続いて、Googleログイン(6サイト)、Yahoo! JAPANログイン(5サイト)でした。Facebookログイン・Xログインが利用回数1位のサイトはありませんでした。(図9)
3位の組み合わせでソーシャルログインを導入しているサイトでのログイン利用回数の内訳は、LINE(68%)、Google(22%)、Yahoo! Japan(9%)、Facebook(1%)でした。(図10)
また、各サイトごとに最も多く利用されたソーシャルログインの調査では、LINEログインが最も利用されていたサイトが18サイトで最多でした。続いて、Googleログイン(6サイト)、Yahoo! JAPANログイン(2サイト)、Facebookログインが利用回数1位のサイトはありませんでした。(図10)
4位の組み合わせでソーシャルログインを導入しているサイトでのログイン利用回数の内訳は、LINE(38%)、Yahoo! Japan(29%)、Apple(16%)、Google(13%)、X(2%)、Facebook(2%)でした。(図11)
また、各サイトごとに最も多く利用されたソーシャルログインの調査では、LINEログインが最も利用されていたサイトが17サイトで最多でした。続いて、Googleログイン(4サイト)、Yahoo! JAPANログイン(2サイト)、Appleでサインイン(1サイト)でした。Xログイン・Facebookログインが利用回数1位のサイトはありませんでした。(図11)
昨年5位だった「LINE・Yahoo! Japan・X・Facebook」の4種の組み合わせに代わり、今年は「LINE・Apple」の2種の組み合わせが5位にランクインしました。
5位の組み合わせでソーシャルログインを導入しているサイトでのログイン利用回数の内訳は、LINE(94%)、Apple(6%)でした。(図12)
また、各サイトごとに最も多く利用されたソーシャルログインの調査では、LINEログインが最も利用されていたサイトが13サイト、Appleでサインインが1サイトでした。(図12)
昨年に引き続き、LINEログインのニーズが際立つ結果となりました。
中でも、LINE単体でも幅広いユーザーに対応できることから、「LINEログインのみ」を導入するサイトの増加が目立ちました。
各プロバイダーごとの動向については下記でそれぞれ述べますが、ソーシャルログインが利用される背景には、SNSアカウントを提供するプラットフォームの動向や、企業にとってのメリット・導入コスト・運用のしやすさ、そしてユーザーにとっての利便性が大きく影響することを改めて認識した1年となりました。
■LINEログインについて
LINEログインは単なるソーシャルログインの枠を超え、LINE ユーザーIDと自社会員IDを連携することで、ユーザーとの接点を強化し、コミュニケーションやマーケティングにLINEを活用できる点が、他のプラットフォームにはない大きな特長となっています。
例えばECサイトでは、LINE連携によって「サイト内の購買情報」や「会員プログラムのステータス」に基づき、ユーザー一人ひとりに最適なLINEのメッセージ配信を行うことが可能です。そのため、LINE公式アカウントを活用した顧客とのコミュニケーションまでを視野にいれ、導入を検討されるケースが増えています。
さらに、LINEログインに加え、LINEアプリ上でデジタル会員証などの自社サービスを展開できるLINEミニアプリを並行して検討される企業も増加傾向にあります。
これらのニーズの高まりは、LINEを通じた便利なユーザー体験や円滑なコミュニケーションを求める企業とユーザー双方にメリットがあることを示しており、LINEログインの導入・利用ニーズの増加を後押ししているといえるでしょう。
■Facebookログインについて
引き続き、減少傾向と言えます。Facebookログインの継続利用に必要なレビューコストの増大(年1回のレビュー必須・レビューは英語でしかやりとりできない・個別の権限取得のハードル上昇)などが影響し、最初からFacebookログインを選ばないケースや、Facebookログインをサイトから外す選択をとるケースが見受けられました。
■Yahoo! JAPAN IDでログイン
ソーシャルログインの利用数は減少傾向にあります。
大きな変化点として、2023年10月4日から始まったLINEとYahoo! JAPANのアカウント連携が挙げられますが、現時点では大きな影響は見られません。
今後どのような変化が生じるのか、引き続き注視していきたいところです。
■X(Twitter)ログインについて
引き続き減少傾向であり、大きな変化はみられませんでした。
■Googleログインについて
GmailやAndroidユーザーが一定数いることにより安定しています。また、普段PC・タブレットを利用することの多いユーザー層とは相性がよく、自社ユーザーの属性や利用環境によっては引き続き有効なソーシャルログインと言えます。
PC・タブレットでの利用回数は、LINEログイン、Googleログイン、Yahoo! ログインがそれぞれ約30%、3種で9割を占める結果に
■Appleでサインインについて
規約には明記されなくなったものの、「iOSアプリにソーシャルログインを導入する際はAppleでサインインも入れないとレビューを通過できないため、導入せざるを得ない」という状況が続いています。
加えて、iOS端末から利用する際のソーシャルログイン自体の体験の良さも利用拡大の一因になっている印象です。ここにあげたソーシャルログインの中では後発であるため、今後のアップデートにも注目しています。
弊社ソーシャルPLUSには、2012年からソーシャルログイン導入を支援してきた実績があります。サイト状況に応じたソーシャルログインの設計フォロー、利用されるための導線整備などもサポートさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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