Appleでサインインとは?機能や特徴、導入のポイントを解説

公開日:
2020
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最終更新日:
2020
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「Appleでサインイン(Sign in with Apple)」の特徴やメリット・デメリットを、他のソーシャルログインとも比較しつつまとめました。アプリでの導入義務や生体認証、使い捨てアドレスの活用など、導入・実装前に押さえておきたいポイントを解説します。

1. 「Appleでサインイン(Sign in with Apple)」とは?機能や特徴を解説

「Appleでサインイン(Sign in with Apple)」はソーシャルログイン※1 の一種で、Apple IDを用いてサイトへの会員登録やログインを行うことができます。今まではApple Payによる会員登録と決済の一体型での提供のみでしたが、ログイン部分のみでの利用も可能になりました。

会員登録・ログインを通じて企業側が取得可能な情報は「姓名・メールアドレス(本物と使い捨て)」です。

特徴的な点としては、下記4点が挙げられます。

  1. 登録時に設定するメールアドレスを「通常のメールアドレス」と「(Appleが発行する)使い捨てのメールアドレス」から選択できる
  2. 顔認証の「Face ID」または指紋認証の「Touch ID」を利用できる
  3. iOSアプリでの導入義務がある(条件つき)
  4. iOSアプリとWeb上のみでの提供


それぞれ詳しく解説していきます。

※1 ソーシャルログインとは、ユーザーが普段から利用しているLINE、Facebook、Twitter、Yahoo! JAPAN、Google等のプラットフォームのアカウントを使って、Webサイトやサービスにログインできる機能です。
登録フォームの離脱率改善やサイトの利用者数アップ、コンバージョン率向上に貢献します。

1-1. 登録時に設定するメールアドレスを「通常のメールアドレス」と「Appleが発行する使い捨てのメールアドレス」から選択できる


「メールを共有」を選択すると通常のアドレスが、「メールを非公開」を選択すると使い捨てのアドレスが登録に使用可能に。
「メールを共有」を選択すると通常のアドレスが、「メールを非公開」を選択すると使い捨てのアドレスが登録に使用可能に。

「メールを共有」を選択すると通常のアドレスを、「メールを非公開」を選択すると使い捨てのアドレスを使用可能になります。

ユーザーが「使い捨てのアドレス」を選択すると、Appleは登録するサイトごとに使い捨てのアドレスを発行し、そのアドレスを使って登録を行います。これにより、仮にどこかのWebサイトで登録に使用したアドレス情報が漏洩したとしても、ユーザー本人が実際に使用しているアドレスは漏洩しません。

しかし、登録するサイトごとに使い捨てのアドレスが発行されるとなると、その一つ一つをユーザーが自身で管理・記憶しておくのは難しくなります。もちろん、SafariやChrome等のブラウザの記憶機能を使えば問題なくログイン可能ですが、スマホで連携したサイトをPCで見る際にもこの「使い捨てのアドレス」が必要となると、ユーザーの利便性という観点ではやや課題が残りそうです。

また、一般的なWebサイトでは会員登録時のメールアドレスをIDにすることも多いため、使い捨てアドレスを選択した場合には、完全にApple IDに依存することになるのも留意点の一つです。

1-2.顔認証の「Face ID」または指紋認証の「Touch ID」を利用できる

LINEやYahoo! JAPAN等を用いた他のソーシャルログインでは利用できない、「Face ID」や「Touch ID」を利用した生体認証が可能なことも大きな特徴です。

iPhoneを起動する時に行う指紋認証のような感覚で、各企業が提供するサービスへの新規会員登録・ログインが可能になるとイメージすると、その利便性の高さが想像いただけるのではないかと思います。


「Appleでサインイン」新規登録時の遷移イメージ
「Appleでサインイン」新規登録時の遷移イメージ

1-3. アプリでの導入義務がある(条件つき)

iOSのアプリを提供していて、かつソーシャルログインを導入している場合、必ず「Appleでサインイン」も導入しなければならないというガイドラインが2019年9月に発表され、大きな波紋を呼びました。条件に該当するiOSアプリでは、「Appleでサインイン」を導入する必要があります。※2

Apple社のセキュリティ規定は他のプラットフォーマーに比較しても厳格な傾向にあり、適切に対応するためにはそれなりの工数がかかることでしょう。

Webサイトへのソーシャルログイン導入事例は昨今ますます増えてきており、それと連動する形で、ソーシャルログインを導入したWebサイトに対応するアプリへのソーシャルログイン導入も増え続けています。



※2 2024年1月のガイドライン変更により、「Appleでサインイン」の導入義務を明示したテキストは撤廃されましたが、「特定のプライバシー機能を備えた追加のログインサービス」の提供は義務付けられており、実質的にはAppleでサインインの導入義務は継続していると言えます。さらに詳細は下記記事をご覧ください。
Apple (sort of) removes its requirement that apps offer ‘Sign in with Apple(2024年2月追記)

1-4. iOSアプリとWeb上のみでの提供

「Appleでサインイン」はiOSアプリ上かWebのブラウザ上でのみ提供されます。※2
(Google Play等でダウンロードしたアプリ上では利用することができません。)

iPhoneやiPad等のAppleデバイスに限って利用可能な機能という訳ではなく、ブラウザからであればAndroidやWindowsPCでも使用可能です。

※3 2020年3月現在

2. メリット・デメリットを整理

ここまでの話を踏まえて、「Appleでサインイン」導入に際してのメリット・デメリットを整理します。

◆メリット


◆デメリット

3. まとめ~ユーザーファーストな設計を目指すのが重要~

「Appleでサインイン」の機能や特徴、メリット・デメリットについて解説してきました。

iOSの国内シェアの高さや、生体認証を利用した利便性の高さを鑑みても、今後「Appleでサインイン」をWebサイトやiOSアプリに設置しておくことで提供できるユーザーメリットは大きいといえるでしょう。

昨今ますます活用が進むソーシャルログインですが、どんな機能でも、ユーザー目線に立ってみて便利な設計になっていなければ当然なかなか広まっていかないものです。
ソーシャルログインを導入するうえでも、まずは導入のねらいを整理したうえで、そのねらいを実現するためにはどのような機能を利用して、どのようなサービス設計を構築すべきかを定めておくことが極めて大切です。

弊社フィードフォースが提供するソーシャルログイン/ID連携サービス「ソーシャルPLUS」では、「Appleでサインイン」をはじめ、LINEやYahoo! JAPAN、FacebookやTwitter等の各種プラットフォームに対応したソーシャルログイン機能を提供しています。

各企業ごとの最適な活用の仕方につきましても、これまでの導入事例・ノウハウをベースにしたご提案が可能です。ソーシャルログイン導入をご検討の際は、ぜひお気軽にお声がけください。


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