コミュニケーションインフラとして多くのユーザーが日常的にLINEを活用している中で、LINE公式アカウントを中心にLINEマーケティングに取り組む企業は年々増加しています。
一方で、以下のような課題をもつ企業は少なくはありません。
・LINE公式アカウントから一斉配信で友だち全員に送信するメッセージはなかなか開封してもらえない...
・LINEの友だちが増えてもブロック率も高い...
・メッセージ配信のコストに対して、なかなか効果が上がらない...
友だちとの良好な関係性を築く上でも、LINEの費用対効果を高める上でも、重要となるのがユーザー一人ひとりのニーズにあわせたセグメント配信です。
せっかくLINEの友だち追加してくれても、”宣伝ばかりで煩わしいな...自分とは関係ないな..”とユーザーが感じてしまうと「ブロック」につながります。
ユーザーに”便利だ・ためになる・楽しい・お得”と「友だちでいつづけることのメリット」を感じてもらうためにも上手くセグメント配信を活用していきましょう。
中には、すべてのお客様に一律のコミュニケーションを行うのではなく、セグメント配信を積極的に活用することでブロック率7%を維持しながら、友だちを増やしている事例もあります。
参考事例:ワールド・ファミリー株式会社様
ブロック率7%!LINE公式アカウント運用の秘訣はLINEログイン導入で実現したパーソナライズコミュニケーション
LINE公式アカウントの料金プランは、通数課金(従量課金)制が適用されることもあり、すべての友だちに一律で同じメッセージを送る全配信が見直されるシーンも増えてきています。
配信コストを抑えるために、配信ボリュームを少なくするというのでは本末転倒です。
やはり、「誰にどのタイミングでどんなメッセージを配信するのか?」という基本に立ち返り、メッセージ配信からどれくらい効果があったのか?LINE経由でどれくらいの売上効果につながったのか?という観点で1通1通の価値を高めていくことが大切です。
「費用対効果を高める」ためにも、異なる属性やニーズをもつ友だち全員に同一のメッセージを配信するのではなく、ユーザーのニーズにあわせて行うセグメント配信が重要な施策となっています。
参考事例:ヒラキ株式会社様
LINEの配信ボリュームを25分の1ほどに抑えながら、LINE経由売上を伸長|ヒラキ株式会社
LINE公式アカウントは、顧客と直接接点をもてるコミュニケーションチャネルです。
LINE公式アカウントを通じて顧客の満足度を高めながら、一度接点をもったユーザーにリピート利用してもらい、さらにファンとなってもらえるような運用が理想的です。
顧客の多様化したニーズに応えるためにも、やはりユーザー毎にあわせたコミュニケーション、セグメント配信は必須といえるでしょう。
参考事例:株式会社ナースステージ様
LINE活用でリピート売上が新規売上を逆転! ECサイトのお客様と「ゆるく・長く」つながるための、LINEログイン活用術
では、LINEでセグメント配信を行うには、どんな方法があるのでしょうか?
ここでは3つの方法とそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。
LINE公式アカウントの標準機能「絞り込み配信」を活用したセグメント配信です。
追加のコストがかからず、LINE公式アカウントの管理画面から手軽に導入できるメリットがあります。
下記の配信例からもわかる通り、LINE公式アカウントの標準機能で配信する絞り込み配信では、LINE上のデータを活用したメッセージの出し分けが可能です。
【配信例】
・LINEのみなし属性(年齢・性別・地域等)を利用して30代女性に配信
・過去に配信したLINEのメッセージを開封した人に配信
・過去に配信したLINEのメッセージのリンクをクリックした人に配信
・特定の経路で友だち追加した人に配信
【メリット】
・追加のコストをかけず標準機能で手軽に導入可能
【デメリット】
・LINE上のデータを活用したセグメントに配信に限られるため、自社サービスと連携したセグメント配信は難しい
LINE公式アカウントでセグメント配信(絞り込み配信)する方法
LINE公式アカウントの標準機能では足りない...という場合、いわゆるLINE配信ツールを導入するケースも多いです。
一般的なLINE配信ツールの多くは、ツールの機能を利用してアンケートやチャットなどを実施することでユーザーの情報を収集・タグ付けを行い、その情報を元にセグメント配信を行います(※導入する配信ツールの機能によって異なります)
セグメント配信に利用するデータはツール内で収集・管理している点が特徴です。
【配信例】
・LINE上でアンケート実施し、「〇〇に興味あり」と回答のあった友だちにセグメント配信
・LINEでボットやリッチメッセージなどを利用して新規利用かリピート利用か選択を促し、回答結果をもとに顧客情報にタグ付けをし、セグメント配信
・アンケートで利用する店舗の選択回答を促し、店舗毎にセグメント配信
【メリット】
・ツール導入で、セグメント配信をスピーディに導入できる
・自動配信など、配信業務の効率化も可能
【デメリット】
・できることは各ツールの機能に依存するため、拡張性は乏しい
・セグメント配信に利用するデータはツール内で収集・管理するため、自社の顧客情報やサービス上での行動履歴と連動したセグメント配信は実現しづらい
LINEのID連携とは、自社サービスのアカウント(会員ID)とLINEアカウント(LINE ID)を紐付けることです。
配信ツール単体で行うセグメント配信と大きく異なる点は、ID連携によりLINE公式アカウントの友だちが自社顧客DB上のどの会員なのかを判別し、購買履歴など自社が持つ顧客データを活用したセグメント配信ができるという点です。
自社の顧客DBとLINEのアカウントを連携することで、自社顧客の属性や購買行動を活用し、ユーザーごとに最適なコミュニケーションが可能になります。
下記の配信例からもわかる通り、自社サービス上での購買行動に連動したセグメント配信ができることがわかります。
また、購買行動における具体的な”ニーズ”にあわせた情報を届けられるため、購入(CV)などのアクションにつながりやすいという強みがあり、費用対効果の高いメッセージ配信が可能です。
【配信例】
・会員限定のクローズドセールの案内を配信
・初回購入者限定のクーポンメッセージを配信
・再入荷通知
・カゴ落ち配信(商品をカートに入れたまま離脱したユーザーへリマインド配信)
・ポイント失効通知
・過去の閲覧/購入情報・商品情報に基づいたレコメンド配信
・トライアル商品を購入した人にステップ配信
・自社サービスのロイヤル顧客向けに先行販売の案内を配信
【メリット】
・自社の顧客DBと連携したセグメント配信が可能
・自社サービス上でのユーザーニーズや購買行動と連動したセグメント配信で、購入(CV)などのアクションに繋がりやすい
【デメリット】
・LINEログインなど、ID連携の仕組みを導入する必要がある
LINEのID連携とは?
企業が導入するメリットと活用事例、効果的な実装方法を解説
ID連携を活用したセグメント配信は、自社の顧客データをもとに、自社サービスにおけるユーザーニーズや購買行動と連動したセグメント配信が可能です。
それでは、具体的にどんな配信ができるのかを事例を交えながらご紹介していきます。
カートに入れたものの購入せずにサイトを離れたユーザーに向けてLINE配信する「かご落ちリマインド」や在庫切れだった商品の入荷をお知らせする「再入荷通知」は、その商品に興味をもつユーザーにピンポイントでアプローチできることから売上に直結しやすい施策の一つです。
LINEでの通知は、スマホさえもっていればいつでもメッセージを確認しそのまま購入できることから、メールで配信するのと比較して、CTR・CVR共に高いといわれています。
あるアパレル企業様では、メールでのカゴ落ち通知と比較し、LINEでのカゴ落ち通知のCTR(クリック率)は5〜10倍、CVR(購入率)は約7倍という成果を出しています。
■詳細はこちら「Shopifyのカゴ落ち配信をLINEで送ったらCVRがメールの約7倍だった」
LINEのステップ配信とは、友だち追加や購入などのイベントを起点に「n日目におすすめ商品の案内、m日目にはクーポンのおしらせ」等、LINEのメッセージを段階的に配信する手法で、フォローアップに活用されています。
ID連携を活用したステップ配信では、「購入」などオンラインショップでのお客様の行動を起点としたステップ配信ができ、よりCVにつながりやすいといえます。
ビューティフルスキンオンラインショップでは、商品購入やお試しセット購入など、購入を起点としたステップ配信の導入で成約数がおよそ3倍になりました。
参考事例:株式会社スキンキュア・ラボ様
購入起点のLINEステップ配信で成約数は3倍に。紙媒体からデジタルへの移行を実現したユーザーに寄り添う LINE公式アカウント活用法
ほしいものリストに登録した商品の値下げ・ポイント残高の通知は、サービスを利用していただいているお客様にとってもメリットのある通知です。
ひかりTVショッピングでは、ID連携しているユーザーに向けて、商品の特価情報や「ほしいものリスト」に登録されている商品の値下げや再入荷のお知らせ、ポイント残高の通知など、会員一人一人に合わせたタイムリーなお知らせをLINEで配信しています。
ID連携を活用し、既存のお客様がより便利にサービスをご利用いただけるようなコミュニケーションで、LINE経由の売上が5年で4倍に伸長しました。
参考事例:株式会社NTTぷらら様
5年でLINE経由の売上が4倍に!「ひかりTVショッピング」のLINE公式アカウント活用~運用体制・KPI設計・効果的なメッセージ配信とは?
ID連携を活用することで、ユーザーが予め登録した情報にあわせた情報をLINEで配信することも可能です。
ジョブメドレーでは、ID連携を活用し、ユーザーの希望に基づいてパーソナライズし、希望に沿った求人情報を配信しています。
ジョブメドレーは、20歳前後から60代以上のシニア層まで幅広い年代層に活用いただいており、医療から介護、保育など、専門性の高い職種に従事されているため、一人ひとり求めている情報は異なることから、全ての友だちを対象にした一斉配信は行っていません。
LINE公式アカウントをコミュニケーションツールとして活用し始めてから、LINE経由のお問い合わせは右肩上がりに増加しているとのことです。
参考事例:株式会社メドレー様
求職者のニーズに合わせたメッセージ配信でマッチングの最適化を目指す。 ジョブメドレーが実現した、ユーザーファーストなLINE運用術。
ID連携を活用したセグメント配信はオンラインだけでなく、実店舗をもつオフラインでも活用されています。
宅配寿司「銀のさら」では、ID連携の活用でお客様の最寄り店舗ごとにメッセージを出し分けて配信しています。
また、LINEログインとオートログイン機能※ を組み合わせて、LINEのメッセージやトーク画面上のリッチメニューから「銀のさら」公式サイトにアクセスすると同時に自動的にログインが完了し、すでに該当の店舗やお届け先が選択された状態でスムーズに注文ができるという便利なユーザー体験も構築しています。
※ オートログイン機能について:https://socialplus.jp/line/autologin
参考事例:株式会社ライドオンエクスプレス様
宅配寿司「銀のさら」がソーシャルログインで実現する便利なネット注文体験とは?継続利用率を高め、LINE経由の売上を伸ばしたポイント
ID連携を活用したセグメント配信を導入するには、ID連携を行う仕組みを導入する必要があります。
ID連携を行う仕組みとして最もおすすめなのが「LINEログイン」です。
ソーシャルログインであるLINEログインをWebサイトやネイティブアプリに実装し、会員登録・ログイン時にID連携を促す方法です。
会員登録・ログインフローの中で自然にLINE公式アカウントへの友だち追加※1とLINEのID連携を促進できるため、ECサイトなど自社サービス起点で、興味・関心の高いユーザーの友だち追加とID連携を自然に増やせることが大きなメリットです。
※ 自動友だち追加機能:LINEログインの認証時に友だち追加のチェックをデフォルトでオンにする機能。LINEログインを活用した会員登録・ログインフローの中でLINE公式アカウントの友だち追加が促進できます。
https://www.socialplus.jp/line/add-friend
LINEのID連携とは?
企業が導入するメリットと活用事例、効果的な実装方法を解説
LNEでセグメント配信を行う3つの方法について、それぞれの特徴、メリット・デメリットをご紹介しました。
ひとことで「セグメント配信」といっても、仕組みや効果がそれぞれ異なることがお判りいただけたかと思います。
重要なのは「セグメント配信」を目的として検討するのではなく、顧客との良好なコミュニケーションを行う手段として「セグメント配信」を導入することだと思います。
この機会に、自社サービスと連動したLINEのCRM活用を実現するID連携の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
「ソーシャルPLUS」はID連携を強みとする、LINEを活用したCRM・ソーシャルログインサービスです。会員IDとプラットフォームのIDを自然に連携し、顧客データに基づいたメッセージ配信等のCRM施策を実現可能にします。
LINEログインを活用したCV導線の簡略化から、友だち追加の促進、会員情報に応じたセグメント配信に至るまで、ユーザー体験を重視したご提案が可能です。どうぞお気軽にご相談ください!
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